浅井順

2020年7月10日|カテゴリー「浅井順
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■就労継続支援事業開業をこれから開業する場合に事前に行ってほしいこと

就労継続支援事業の開業をご検討の方には、ぜひ今回の内容を参考にしてご準備を進めて頂きたいです。現在は以前のように指定がおりなくなっております。
しっかりとした事業計画を作ること、とにかくここに専念することが必要です。
事業計画を作る際、これまでに私の方でかかわってきて指摘された内容をざっと書かせて頂きました。

福祉保健局には何度も指摘をされますが、その事項を一つ一つ念入りに加筆、修正、調査してやっていく必要があります。指摘されたことはすべてやっていかないと、ずっと事業計画書の作成で申請が止まってしまいます。指定までに1年から2年ぐらいかかることもざらだということを念頭に開業を考える必要があります。

1.事業所について
開業予定場所の障害福祉課、建築指導課、バリアフリーの管轄、消防署にて、就労継続事業を行うことについてその建物や場所について事業始めて問題がないか、別途手続きが必要であればどのような手続きが必要か、そしてその手続きは済んでいるのかこれからなのか、など役所の担当者から言われたことを担当者名、日付、内容などを添付の議事録に残してください。
障害福祉課ではニーズがどれぐらいあるのか? 
建築指導課では用途変更が不要かということとバリアフリー法について問題ないかも確認してください。消防署では必要な手続きについて確認してください。


2.外注先について
すでに外注先がある場合、指定が取れるまでは通常の業務委託契約になりますし指定が取れた後は、施設外就労加算の要件を満たした施設外就労に課する契約書を業務委託先と契約を結びなおし、施設外就労加算の要件が満たせるよう業務を行うことが必要です。
施設外就労の要件はハンドブックの留意事項にありますので、よく読むようにして下さい。


3.法律や基準の理解について
制度についてハンドブックを何度も読むようにしてください。制度について理解があるのかは、今後も何度も担当者から質問があります。事業の法律の制度について何を言われてもすぐに答えられるぐらいの知識を持っておく必要があります。
法律の知識があまり知らないのではないかと判断されると当分指定を出せないとなる可能性が高いです。
障害者総合支援法、障害福祉サービス事業についての法律について理解がないことを福祉保健局の方はとても嫌います。理由は公費を使う事業で、その法律のことを理解してない事業所さんが赤字だったり廃業したり、監査を受け営業取消などになっているから。勉強しているうえでの質問ならよいのですが、なにも調べてないのに教えてくださいのスタンスだと福祉保健局の方は教えてくれないです。


4.利用者の種別について
例えば、知的障害の方、精神障害の方、視覚障害の方全員利用ができるようにするには、それぞれ以下の内容ごとに事業計画書に記載します。まとめて書かず、それぞれの障害の方ごとに書きます。
1.聴覚障害の方への支援方針、方法、体制、対応できる職員の経歴、経験の記載
  生活支援、健康管理、訓練、生産活動、その他特徴のある支援内容
2.知的障害の方への支援方針、方法、体制、対応できる職員の経歴、経験の記載
生活支援、健康管理、訓練、生産活動、その他特徴のある支援内容
3.精神障害の方への支援方針、方法、体制、対応できる職員の経歴、経験の記載
  生活支援、健康管理、訓練、生産活動、その他特徴のある支援内容
少ない職員の人数ですと、3種類の障害の方がいっぺんに通ったときに職員の少ない人数でどう対応するのかを確認されます。
同じところで同じ仕事の内容の仕事をできないと思うので、それぞれで職員の配置を必要や、仕事の内容も同じものでないと考えられるので、部屋の区分けをどうするのか?など質問されると思うので、こたえられるようにする必要があります。
上記のことを考えると、何か一つに特化した事業所とした方が職員の配置や仕事の分け方や業務効率も含め、説明はしやすいと思いますので、それもご検討ください。

5.目標工賃の根拠について
なぜ目標工賃としてその金額を利用者に払うことができるのか、実績が必要です。その実績に基づき、計算式を出してください。仕事内容はたくさんあった方が良いですが、そしてそれだけの仕事がとってこられる事の証明として、今現在受けている業務の注文書や請求書など実際にそういった仕事を受けられることを証明できる資料が必要です。その資料と今後の予定でいくらぐらいの売上を見込め、それに対していくらお金が残るから、いくら工賃として払えるということの計算式を示してください。
上記の金額を収支予算書の売上のところなどにも反映させ、情報を統一してください。


6.ここまで用意ができたら

1.事業計画書は相当きちんとしたものを作りこんでください。
2.建築図面、平面図、寸法と面積が入った見取り図を作成して、福祉保健局へ相談で見てもらうようにします。
3.上記の書類が用意できたら、東京都福祉保健局へアポイントを取って相談に行きますが、指摘された事項がきちんとできてないと、印象が悪くなり、どんどん申請までの時間が長くなりますので、とにかくきちんとしたものを作っていく必要があります。

最後に
厳しいことをたくさんお伝えしておりますが就労継続支援事業の指定を取るにはすべてやっていかないといけないので、どうか頑張って作成するようにして下さい。
これは誰かに言われてやるものではなく、これから開業を目指す事業所様みんなでどういう風にやっていくのか、みんなで勉強しながら、とにかく作るようにしてください。
事業計画書は相談後もたくさん修正の指摘をされると思いますが、どうかあきらめないで頑張っていってほしいと思います。

開業についてのご相談がございましたら、ぜひご相談頂けましたら幸いです。


最後までご覧いただき、ありがとうございました。