■介護保険タクシー許可について
こんにちは。行政書士の浅井です。
介護タクシーについては、陸運局において「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」の許可を取得することで、事業を行うことができます。
更にそれとは別で介護保険の報酬も得たい場合には、別途都道府県等の指定権者において訪問介護事業等の指定をとることで、介護保険タクシー事業を行うことができます。
そうすることで介護タクシーも介護保険タクシーも両方提供できるので、柔軟な対応や利用者の用途、利用者の範囲を広げて事業を行うことができます。
1.介護タクシー(介護保険適用無)
利用者は要支援者、要介護認定、身体障害者手帳保持者等
ケアプランを作成する不要
移動先、利用目的制限なし
介助部分、移動部分とも介護保険適用外になるため利用者の全額自己負担
利用者以外も同乗可能
2.介護保険タクシー(介護保険適用有)
利用者は要介護の認定を受けている方
ケアプランを作成必要
移動先、利用目的とも制約あり(受診やリハビリのための通院等)
介助部分は介護保険適用になるため保険料の1割~3割負担
移動部分(運賃)は介護保険適用外になるため利用者の全額自己負担
原則利用者以外は乗車不可
介護保険タクシーは、訪問介護や居宅介護サービスの一つである「通院等乗降介助」を行うタクシーのことです。病院へ通院する際等に、ヘルパー等の介護資格を持った運転手が、車への乗車・降車の介助や移動の介助を行います。
この「通院等乗降介助」は、介護保険の対象となるため、利用者は介護保険料の1割(利用者によって2~3割)負担でサービスを受けることができます。
しかし、自宅から病院等までのタクシー乗車運賃料金については、介護保険の対象となりません。全額利用者の負担になります。
つまり、通院等乗降介助は「介助」と「移動」がセットになったサービスであり、介助部分は保険適用、移動部分は保険適用外となります。
タクシーの利用用途が介護保険の適用外となるような利用の場合(例えば、病院等の目的地以外への移送)や、要介護認定を受けていない人が利用する場合は、介護保険の対象とはならず、全額利用者の自己負担となります。
上記を読んでいただくとお分かりになる通り、介護保険タクシーは介護保険法の適用を受けるので、いろいろな制約があります。
ケアマネさんのケアプランに基づいたサービスが必要なことや、サービス提供にあたって計画書の作成や契約書、重要事項説明書の締結等介護保険法に基づいてサービスが必要となりますので、そういった部分を抑えて事業を行わないと、報酬の返戻や指導の対象となりますので、介護保険法に関する制度の理解が大切になります。
開業にあたっては道路交通法における介護タクシーに関する理解だけでなく、介護保険法の知識もよく学んだうえで開業を行うようにしましょう。
以上、参考になりましたら幸いです。
それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も一日皆様にとって素晴らしい日となりますように。
浅井順
2022年5月26日|カテゴリー「浅井順」