浅井順

2018年10月12日|カテゴリー「浅井順

■ 建築基準法の一部を改正する法律案



今回は、3月6日に閣議決定された建築基準法の一部を改正する法律案について、国土交通省で公表されていた内容をお伝えしたいと思います。


重要な部分は用途変更の緩和の部分で100平米が200平米になることで、これから福祉施設をはじめようと思っている経営者の方にとっては、かなり大きな改正になっています。



「建築基準法の一部を改正する法律案」を閣議決定

平成30年3月6日


最近の大規模火災をめぐる状況や防火関連の技術開発をめぐる状況等を踏まえ、建築物・市街地の安全性の確保、既存建築ストックの活用、木造建築物の整備の推進などの社会的要請等に対応して規制を見直した「建築基準法の一部を改正する法律案」が、本日、閣議決定されました。


1.背景

最近の大規模火災を踏まえ、老朽化した木造建築物の建替え等による市街地の安全性の向上や、建築物の適切な維持管理による建築物の安全性の確保を円滑に進めることなどが課題となっています。

また、空き家が増加傾向にある中で、住宅をそれ以外の用途に変更して活用することが求められており、建築行政においても、安全性の確保と既存建築ストックの有効活用を両立しつつ、建築規制を合理化していく必要があります。

さらに、木材を建築材料として活用することで循環型社会の形成や国土の保全、地域経済の活性化に貢献することが期待されており、近年の技術開発も踏まえ、建築物の木造・木質化に資するよう、建築基準の合理化が求められています。


2.概要

 (1) 建築物・市街地の安全性の確保
  [1]   建築物を常時適法に維持するための維持保全計画の作成等が求められる建築物の範囲を拡大
  [2]   防火地域・準防火地域※1において延焼防止性能の高い建築物の建ぺい率※2制限を10%緩和   等
  ※1  防火地域・準防火地域:市街地における火災の危険を防除するために定める地域
   ※2  建ぺい率:建築物の建築面積の敷地面積に対する割合
 
(2) 既存建築ストックの活用
  [1]   戸建住宅等(延べ面積200平米未満かつ3階建て以下)を他の用途とする場合に、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等とすることを不要とする
  [2]   用途変更に伴って建築確認が必要となる規模の見直し等

 (3) 木造建築物の整備の推進
  [1]   耐火構造等とすべき木造建築物の対象の見直し(高さ13m・軒高9m超 →高さ16m超・階数4 以上)
  [2]   [1]の規制を受ける場合についても、木材をそのまま見せる(あらわし)等の耐火構造以外の構造を可能とするよう基準を見直し等
 
 (4) その他
   [1]   老人ホーム等に係る容積率※制限を緩和(共用廊下等を算定基礎となる床面積から除外)
    ※  容積率:建築物の延べ面積(床面積の合計)の敷地面積に対する割合
   [2]   興行場等の仮設建築物の存続期間(現行1年)の延長 


最後までお読みいただき、ありがとうございました。