■法人の種類と、どの法人を選べばいいのかについて
こんにちは。行政書士の浅井です。法人についてはいくつか種類があり、大きく分けると株式会社と合同会社(LLC)の「営利型」と、社団法人・財団法人とNPO法人などの「非営利型」に分けられます。
株式会社と合同会社(LLC)については規模の大きさの違いがポイントです。また、株式会社は株式を元手に資金調達をする事が可能です。
合同会社(LLC)は、株式会社よりも安く設立する事が可能となっています。
一方、社団法人・財団法人のような団体と、NPO法人との違いは、どれも非営利団体ではありますが、NPO法人の方がより公益性が求められ、行政からの許可が必要となります。
また他に、投資会社、合資会社、合名会社があります。
投資会社は、投資家の方から資金を調達し、企業を買ったり、不動産などにお金を投入して、利益を得たりする会社です。
合資会社と合名会社は似たようなものにはなりますが、共通点としては「無限責任」であることです。株式会社と、合同会社(LLC)が「有限責任」なのに対し、無限責任である合資会社と合名会社は、資本金の金額を超える責任を追わなければならない為、有限責任会社に比べてリスクが高くなります。
1.それぞれの特徴
(1)株式会社
・活動内容に制約がなく、出資等の資金調達に適しており、機動的な組織運営や意思決定が可能。
・営利団体であり、地域的な共同活動のイメージに合わないことや出資比率に応じた議決権であるため、地域住民の同意・賛同を得にくい。
・収益が上がった場合、出資者への分配を通じて地域外に資金が流出する可能性。
(2)合同会社
・基本設計は株式会社と共通。
・簡易な設立・有限責任等スモールビジネスに適した形態。
・議決権や余剰金の分配方法が出資比率によらず、内部で決められることから、地域住民の活動に適した方式の選択が可能。
(3)NPO法人
・対象となる活動が特定非営利活動(20分野)に限定されているが、「まちづくりの推進や「農山漁村又は中山間地域の振興」が含まれており、幅広い活動が可能。
・補助金・交付金の受け皿や行政との連携、寄附の呼び込み等の面で適している。
・出資による活動資金の調達や配当による利益分配は不可
(4)一般社団法人
・目的や事業に制限がなく、幅広い活動が可能。
・補助金・交付金の受け皿や行政との連携、寄附の呼び込み等の面では非営利組織が適している。
3.法人の選び方
どの法人がいいのかを考える際、以下の内容について検討してみてはいかがでしょうか?
(1)法人設立に向けて、日々取り組んでいる活動、今後取り組みたいことは何か?
(2)法人設立後どのような成果を上げたいと思っているか?
目標と目的、1年後の理想の状態、2年後の理想の状態、3年後、そして5年後の理想の状態を考えてみる。
(3)法人として「これだけではどんなことがあっても達成したい!達成する!」ということは何か?
(4)その法人は地域や社会にとってどのような「ポジション」を採っているか?そして今後採っていきたいか?
(5)上記をふまえて、最後に法人としての理念、どういった法人を目指すのか、簡潔にまとめてみる。
法人として何がしたいのか、どういった活動がしたいのかが明確になれば、どの法人がいいのか明確になってくると思います。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
浅井順
2020年11月6日|カテゴリー「浅井順」