グループホームにおける断続的な宿直又は日直勤務許可申請書について

new-year-4714885_1920

■グループホームにおける断続的な宿直又は日直勤務許可申請書について


今回はグループホームにおける夜間勤務者の夜勤と宿直の違いについてお伝えします。


夜勤と宿直は分けて考える必要があります。


夜勤については、通常と同じく労働時間を管理し、法定時間を超える労働があれば割増を払い、深夜についての割増を払うのであれば、許可を受ける必要はありません。


通常と同じくとは、労働時間は、原則1日8時間、1週40時間まで、これらの時間を超える場合は25%割増手当を支払い、深夜時間帯についてはさらに25%の割増手当を支払うことです。


一方、宿日直勤務には許可が必要です。


宿日直というのは、通常の労働とはまったく違う勤務の態様であるため、通常の労働時間とは別に考えるべきものであり、労働基準法の労働時間や休憩、休日の適用除外とされるからです。


宿日直勤務の許可が受けられる勤務の態様は、「常態としてほとんど労働する必要がない勤務のみを認めるものであり、 定時的巡視、緊急の文書又は電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可するものであること」とされています。


「夜間や休みの日は、ほとんど仕事がない」ということを、労働基準監督署ではなく、事業主が個々に判断してしまっては、判断基準がばらばらとなり、断続的な宿日直労働とは認められないものまで、法定労働時間を超えた長時間になり、割増賃金を支払われないということになりかねません。


そのため、「当社の宿日直は断続的であり、通常の労働とは密度が違う」という特別な事情を認めてもらうためには労働基準監督署の許可が必要なのです。


勤務の態様のほかにも、宿日直の許可を受けるためには、宿日直手当(1日又は1回につき、宿日直勤務を行う者に支払われる賃金の1日の平均額の1/3以上)、回数(宿直については週1回、日直については月1回を限度)、その他(宿直については相当の睡眠設備の設置)などが必要とされています。


繰り返しになりますが、通常の人と同じように、法律通りの時間管理を夜に働く人にもしているのであれば、問題はありません。


もし、夜間は昼間よりも負担が軽いからと、労働時間を長くしていたり、給与を安く設定しているということであれば、宿直の許可が受けられるかどうか確認し、該当しそうだということであれば、労働基準監督署に相談のうえ、許可申請を提出しましょう。


夜間支援加算1の夜勤としてとっているが、実際には夜勤の必要な利用者がいない、あるいは夜間支援加算2の宿直を加算としてとっているが、断続的な宿直又は日直勤務許可申請書を労働基準監督署に出していないなどということがあれば問題です。またもし加算2で宿直としているのに、夜勤と同様に考え実際には払わなくてもよい賃金を払ってしまっているケースもあります。その場合も届出を出せば人件費を節約できるでしょう。


加算要件と実際に勤務する夜間支援員の業務内容を一致させるようにしましょう。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。