一般社団法人

一般社団法人は、概ね株式会社と同じような手続により設立することができます。
社会起業家を目指している方であれば、「社団法人」という法人格を取得することで、会社とは違った社会的な格付けのもとで活動ができます。

<一般社団法人の特徴>

◎ 設立の手続きが簡単である
◎ 拠出しなくても良い
◎ 基金制度
◎ 身軽な運営が可能
◎ 多様な事業を行う団体として活用することができる
◎ コストが安い
◎ 利益の配当が制限される
◎ 税金
◎ 社会保険

一般社団法人をつくると言うと、なんだか難しそうというイメージを持つかもしれません。しかし、平成20年に公益法人制度改革が行われ、一般社団法人は誰でも登記だけでつくれるようになったのです。
1.2人以上の設立者(社員)が集まって法人化を決定します。
2.印鑑の作成
3.定款など設立書類の作成
4.公証人役場で定款の認証を受ける
5.主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立登記の申請
6.登記完了後、登記事項証明書や印鑑証明書を取得する
7.各役所へ法定の届出等を行う

一般社団法人設立の場合、株式会社の設立手続きとほぼ同様ですので、手続き自体は1週間程度で完了します。(別途法務局による登記期間がありますので、謄本取得までは約2週間とお考え下さい。)なお、一般社団法人の成立日は、設立登記の申請を行った日(書類提出日)となります。
一般社団法人は、概ね、株式会社の設立と同じような手続になります。

定款の作成
定款とは、法人における最高規則です。その法人の成り立ちや目的、運営において重要な事項を定めたもので、定款を作成すると言うことは一般社団法人の大枠を決めることになりますのでこの作業を通じて全体像が決まってきます。
一般社団法人の場合、定款には法人の名称や住所、目的などといった基本的な事項を記載しますが、それ以外にも、必要に応じて組織形態や意思決定方法などについても定めることとなります。その内容により、法人運営や事業運営に影響を及ぼすこととなります。
定款はその法人の「憲法」の役割になりますので、定款の作成は設立手続において最も重要なステップとなります。なお、定款に定める基本事項は、社員が作成します。

名称を決定する
一般社団法人名を決めます。
主たる事務所の所在地を管轄する同じ法務局内に、すでに同一の名称の法人が存在する場合には、一般社団法人設立の登記申請をしても登記してもらえません。

目的を定める
一般社団法人設立後に、どのような業務を行っていくのかを定めます。

所在地を決める
主たる事務所の住所を決めます。法人の住所です。これにより、管轄法務局や公証役場が決まります。
万が一ということもありますので、主たる事務所の所在地に同一の名称の法人が登記されていないかどうかを確認しましょう。
なお、この調査は管轄の法務局にて無料で行えます。

社員の選定
設立時における社員を選びます。株式会社でいうところの社員は株主に相当します。
なお、設立時に社員は、最低2人以上必要になります。(人でなく、法人でも可)

理事、理事長の選定
設立時における理事や代表理事(理事長)を選びます。株式会社でいうところの理事は取締役、代表理事は代表取締役社長に相当する役員の選定になります。なお、設立時に理事は、最低1人以上必要になります。

事業年度の決定
一般社団法人を設立する際には、その事業年度をいつからいつにするのかを決めなくてはなりません。
法人はその決めた事業年度末から原則2ヵ月以内に、法人税や消費税などの申告と納税を行う必要があります。
個人事業主は1月1日から12月31日が事業年度ですが、法人の場合には自由に決めることができます。

社員の資格の得喪に関すること
一般社団法人の定款では、社員の資格を定めます。
法人の社員になることや社員の資格を得るために必要な条件や手続、あるいは社員を抜けるための条件や手続、社員の資格を喪失する場合などを定めます。この社員になる、社員でなくなるといったことを総称して、社員の資格の得喪と言います。

公告について
公告とは、法律に定めのある事項について、広く世に知らせることを言います。
一般社団法人は、毎年決算後に貸借対照表を公開しなければなりません。これを決算公告と言います。また、解散や合併によって法人が消滅する場合には、債権者保護のための公告手続が必要となります。
公告の方法では、主に決算公告について、どのような方法で公告手続を行うかを定めます。ちなみに、広告とは自発的に世間に情報を流すこと。一方、公告とは公に発表する情報のことを言います。

疑似商号調査
必ずしも必要な手続きではありませんが、類似の名称で登記した場合には、後ちに面倒が生じます。また、商標登録をされている可能性もありますので、類似の商号や名称を持つ法人がないかを確認しておいた方が良いです。
なお、すでに登記されている他社の商号を同じ管轄内の所在地で登記をすることはできません。所在地が異なれば、同じ商号で登記をすることができます。

事業目的の適格性調査
事業目的とは、一般社団法人が設立後に行う事業内容のことになります。
事業目的には、適法性と明確性が必要です。従って、違法なものは事業目的にはできません。また、許認可の必要な事業は、許認可を受ける官庁に事業目的の記載方法を必ず相談、確認してください。

印鑑の作成
一般社団法人の商号が確定したら、法人印(実印)を作成します。
最近では、インターネットの業者を通じて、安価で即日作成してもらえるようになりました。依頼から完成まで時間を加味して作成してください。
実印は設立登記の際に必要になります。また、本社所在地も決まっているようならば、同時にゴム印や銀行印、角印も作成しておくと良いです。

印鑑証明の取得
印鑑証明書は定款の認証の際には、社員全員の分が必要になります。また、設立登記の際には、理事全員の分が必要となります。
定款には印鑑証明書に記載してある住所を正確に書かなければなりません。住所の書き方が一般的な表記とは異なります。この時点で印鑑証明書を取得し、確認をしながら記載することをお勧めします。

一般社団法人の定款の完成
定款は3通必要となります。
株式会社の設立には、定款には4万円の収入印紙を貼り、消印を行う必要があります(電子定款の場合は収入印紙不要)が、一般社団法人の定款には収入印紙は入りません。
なお、法人の実印は大きさが決められています。一辺の長さが1センチを超え、3センチ以内の正方形の中に収まるものでなければなりません。

定款の認証手続き
一般社団法人の定款は、公証役場で認証を受ける手続きが必要です。
5万円の認証費用と謄本交付手数料(1枚250円)が必要です。なお、定款の認証を委任する場合には、予め委任状の作成が必要です。

本店所在場所の決定
定款に本店の所在場所まで記載する場合は不要ですが、本店所在地の決定には、社員の過半数一致が条件です。そして、社員過半数一致を証する書面作成が必要です。

設立登記に必要書類の作成
登記を申請するには、登記申請書、印鑑届書、印鑑カード交付申請書の作成が必要です。これらは社員が作成します。

設立登記申請手続き
法務局で登記申請を行います。
登録免許税(6万円)が必要です。受付から完了まで、およそ1週間程度かかります。もし申請において修正が必要な箇所があると連絡が入った場合には、修正して再提出することができます。
なお、登記申請日が一般社団法人の成立日になります。申請日が一般社団法人の創立記念日となりますので、ふさわしい日を選んで申請されることをおすすめします。

登記完了
法務局で、一般社団法人の登記簿謄本と印鑑カード、印鑑証明が交付されます。

官公庁などへの各種届出
登記完了後には、税務署や都道府県税事務所、市町村役場、社会保険事務所、労働基準監督署、公共職業安定所に対して、それぞれ提出が必要な書類がある場合があります。東京
23区では、届出が不要な書類もあります。

法人口座開設

法人の銀行口座を開設します。法律で作らなければならないものではありませんが、必ず使うものでありますので、必要書類を揃えて作成してください。
昨今はマネーロンダリングなどの問題から、以前よりも法人口座の開設が難しくなっていますが、定款や設立趣意書、その他必要書類などを提出して、法人の目的を正しく告げれば開設できます。
必要書類に関しましては、各銀行によって異なりますので、法人所在地のお近くの銀行支店にお問い合わせください。
  
   
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